iOS 版のビルド、および実行手順

目次

  概要
  iOS 版アプリケーションのビルド前設定
  iOS 版アプリケーションのビルド
  iOS 版アプリケーションのインストール
  iOS 版アプリケーションの実行


概要

MUN で生成した Unity プロジェクトを iOS 版でビルドする場合の手順について

  ここでは MUN で生成した Unity プロジェクトについて、iOS 版実行バイナリとして生成し、実行する手順について触れます。


iOS 版アプリケーションのビルド前設定

ビルド用のサブウィンドウを起動する

  まずは実行バイナリを生成するために、ビルド用のサブウィンドウを起動させます。
  Unity Editor を動かしている状態で、MacOSX または macOS Sierra 上のメニューから、File > Build Settings... を選んでください。

ビルド用のサブウィンドウで、iOS プラットフォームを選択する

  すると「Build Settings」のサブウィンドウが立ち上がりますので、その中の上部にある「Scenes In Build」のダイアログ内に
  アプリケーションの動作に必要となるシーンファイルを登録します。

  また、サブウィンドウ左下の「Platform」については、「iOS」を選択し、開発ターゲットを切り替えます。
  サブウィンドウ右下の「Switch Platform」ボタンを押してください。
  iOS プラトフォームへのターゲット切り替え(素材の変換処理)が完了するまで時間が掛かります。
  変換ダイアログに表示されているプログレスバーが完全に一杯になるまで、しばらくお待ちください。
  iOSへのターゲット切り替えが完了するとダイアログが自動的に閉じます。

iOS プラットフォームの動作設定を行なう

  iOS プラットフォームへのターゲット切り替えが完了したところで、
  画面左下部にある [Player Settings...] のボタンをクリックします。
  [Player Settings...] をクリックすると、UnityEditor 側の Inspector に iOS プラットフォームのプロパティ設定画面が表示されます。
  Inspector最上部に表示される「Product Name」が、Androidアプリケーションの名前の設定欄です。
  任意の名前を設定したい場合には、ここで名称を変更してください。
     ※ デフォルトのままで差し支えなければ、そのままで構いません。

  画面中央より下の「Settings for iOS」と表示されている箇所で、iOS プラットフォーム向けの個別設定を行ないます。

  まず、この項目中の、「Other Settings」 内にある 「Identification」 > 「PlayerSettings.bundleIdentifier」の項目に対し、
  iOS アプリケーションを識別するためのカスタムバンドルID を登録します。
     ※ 一般的にはドメインネーム+アプリケーション名を指定しますが、特に配信を考えなければ、任意の . 付きの文字列で構いません。
     ※ 以下の画像では、com.monobitengine になっていますが、あくまで一例です。
        配信時には「独自のオリジナルな名前」を付けることは最低限行なっておきましょう。

  同様に、「Other Settings」 内にある 「Configuration」 > 「Scripting Backend」 の項目が
  「Mono2x」などに設定されている場合、「IL2CPP」 に変更してください。
IL2CPP に設定しない場合、AppStore でリリースすることが出来ません。

詳しくは、以下のページ(Unity の iOS 64bit サポートについて)をご覧ください。
  https://blogs.unity3d.com/2014/11/20/apple-ios-64-bit-support-in-unity

アセットバンドルを利用する場合、IL2CPPでAssetBundleが消失するのを防ぐ

  Apple 社が提供している AppStore のリリース規約上IL2CPPでビルドすることが必要であることは前述の通りで、
  IL2CPPでビルドした場合、ビルド途上でUnityが「不要」と判断したスクリプトやデータ類を全て破棄した状態でアプリケーションを生成します。

  この時、アセットバンドルは有効なスクリプト内での利用の是非を問わず、問答無用で削除されます

  そのため、デフォルトの状態でアセットバンドルの読み込み処理をIL2CPPでビルドした場合、そのアプリケーションは読み込みに100%失敗します。
  これを防ぐために、Settings for iOS の Other Settings 内にある設定項目にて、必ず Strip Engine Code を無効にして下さい
ただし、アセットバンドルを利用する場合に限ります。


  「Other Settings」 内にある 「Optimization」 > 「Strip Engine Code」 のチェックボックスがデフォルトではONになっていると
  思われますので、このチェックボックスをOFFの状態にして無効にしてください。


iOS 版アプリケーションのビルド

ビルドを実行する

  カスタムバンドルID、ならびに IL2CPP ビルド設定が終わったところで、
  もう一度「Build Settings」のサブウィンドウに戻り、[Build] ボタンをクリックしてください。

  iOS プラットフォーム向けの Xcode プロジェクトの作成場所を問われますので、
   任意のディレクトリ上に、任意の名称を「Save As:」の欄に入力して、右下の「Save」ボタンを押して保存します。

  Xcodeプロジェクトへの出力作業も、その完了するまで時間が掛かります。
  出力ダイアログに表示されているプログレスバーが完全に一杯になるまで、しばらくお待ちください。

  しばらく待つと、指定したディレクトリ内に Xcode用のプロジェクトディレクトリが出来上がります。


iOS 版アプリケーションのインストール

Xcode を起動する

  iOS デバイス(または iOS シミュレータ)にアプリケーションをインストールするには、Xcode を経由する必要があります。
  先ほど生成された Xcode プロジェクト内の .xcodeproj をダブルクリックし、Xcodeを開いてください。

iOS デバイス(iOS シミュレータ)にインストールするための、iOS Developer アカウントを登録する

  Xcode でプロジェクトを開いたら、iOS デバイス(または iOS シミュレータ)にインストールするための、有効な Apple iOS Developer アカウントを設定します。
  プロジェクト名をクリックし、プロパティ内の General > Signing 内の 「Team」項目にて、Apple iOS Developer アカウントを設定してください。
     ※ Apple iOS Developer アカウントの取得については、以下のページから行なってください。
          https://developer.apple.com/programs/jp/
     ※ 個人であれば、Xcode 7.0 以降 + iOS 9.0 以降という限定条件にて、
       無料の Apple iOS Developer アカウントで実機上にインストールすることが可能です。

iOS デバイス(iOS シミュレータ)にインストールする

  Apple iOS Developer アカウントの登録が完了したら、インストール対象となる iOS デバイス(または iOS シミュレータ)を指定します。

  設定完了後、Xcode のビルドボタン(再生ボタン)をクリックして、Xcode 上でのビルド、およびインストールを敢行します。


iOS 版アプリケーションの実行

iOS デバイス(iOS シミュレータ)のホーム画面から実行する

  iOS デバイス(iOS シミュレータ)にインストールされた実行アプリは、
  ホーム画面上のアプリアイコンとして、以下のように登録されます。
  これをタップすることで、MUNの実行バイナリがUnityアプリケーションとして起動します。